2014年4月17日木曜日

後日譚ディスクのご紹介。

お久しぶりです。
少し前になりますが、イベントでキャラごとの後日譚ディスクの頒布を始めました。
本編にはあとがきのようなものを書くところがありませんのでこちらで少し紹介させて頂きます。
(ややネタバレのところもありますので、未プレイの方はご注意ください。)

まず一回目は広瀬中佐のディスク、「満州の冬」

舞台はタイトル通り満州です。
今の私達には若干暗い歴史のイメージが強くなってしまいましたが、この時代には夢があった舞台です。

具体的に何年かは言及していませんが、日露戦争のすぐ後、時代は清末期です。
武昌蜂起の少し前、満州は東三省の支配のもと一応は清の領土となっていますが、
ロシアの南下政策の脅威にさらされ、日露戦争の日本の勝利により、鉄道・鉱山開発の権益を得た日本が、鉄道警備隊の配備を始め、沢山の移民を始めた時期です。

奉天駅は1910年に完成し、瀋陽駅と呼ばれて今でも使われています。
東京駅の設計者辰野金吾の弟子による建造で、赤レンガに白い帯の辰野式建築は東京駅によく似ています。
ちなみに同じ年創業した奉天大和ホテルもいまでも営業しています。

そしてこの時代の満州の魅力の一つに満州馬賊があります。
馬賊の歌で知られるように、昭和初期までは日本人から見ても、西部のガンマンのような、ある種の憧れの対象でした。
日本から移民して馬賊として傷害を過ごした人も何人か知られています。

よく、大人物が無くなると、まして遺体の消息が知れなかったりすると、都市伝説的に大陸に渡って生きている、という噂が流れたりしますが、広瀬中佐もその一人。杉野上等兵曹も、大陸に渡って生きていた、という説があったりします。

西郷隆盛が生きていたとか源義経がチンギス・ハーンだとかと同じでただの流言には過ぎないのでしょうが、物語的には夢広がりますね。
広瀬中佐はどこに行っても、言葉が通じなくても、すぐ人と友達になるようなタイプのような気がします。

選択肢は一か所ですが、エンディングは2種類、オマケのクイズも2種類あります。
とあるルートを選ぶとトンデモ展開といった愉快な内容となっております。



二回目になる秋山中佐の後日譚は、タイトル通り大正3年、シーメンス事件を背景にしています。西暦で言うと1914年、サラエボ事件が起き、第一次世界大戦が始まった年でもあります。

そしてその前年、日本の最初の超ド級戦艦金剛が竣工し、その10月の観艦式で華々しい雄姿を披露します。海軍出身の山本権兵衛首相による内閣が発足した年でもあり、海軍にとって前途洋々といった年でした。

(*スチルの金剛は実は竣工に近いこの時期のものでなく、2度の改装を経たころの見た目です。本当は竣工時は、後の戦艦に見られるパゴダマストと言われるような艦橋はありません。大きさは全く違うものの、フラットな甲板に煙突2本、前後に艦橋、主砲がある三笠等と同じようなスタイルでした。)

それがシーメンス事件という汚職事件で頓挫し、秋山少将はその後始末といった役割を与えられます。

実際にはシーメンス事件の前に秋山真之は少将となっており、軍務局長としてシーメンス事件後の海相の下で働くことになります。
軍務局長は海相、海軍次官に次いで、海軍の軍政面ではナンバー3の地位。
ここでは海軍次官である鈴木貫太郎も初登場します。

この頃の秋山少将は文献により賛否両論ですが、公に残っている記録だけを参考に解釈したつもりです。

また、実際虫垂炎を患って入院したのは大正6年のことですが、これより前から腹痛はあったものの、放置した揚句重症になっていたという話もあります。
入院時は読書を禁止されたものの、従わずに付添い看護婦を困らせたというエピソードもあっとか…。
そして実際は手術を断り、やはり後に再発して腹膜炎で人生を終えました。

こちらのディスクも結末は二つ、片方は史実と異なりますが、こんな未来があったらという希望も込めた内容です。
いかがでしたでしょうか?


そして次回、最後は佐藤中佐のディスクになります。

時代はさらに進んで、具体的な年号は示しませんが、海軍軍縮条約を決めたワシントン会議の数年前を想定しています。

乙女ゲームの後日譚というと普通は明るく甘い話が求められるのかもしれませんが、時代が時代だけにどちらに転んでも若干暗いお話になってしまったかもしれません。

とはいえ18歳以上限定にお届けする真のエンディングとして、有終の美を飾れる内容になっております。

こちら発表は夏のイベントになるかと思います。

既刊はガルマニさんにも登録していますので、手に入らない方はこちらでよろしくお願い致します。(ダウンロードはこちらから!)